先週のつかの間の帰国を経て、再びインドに戻ってきました。
8月に日本にいるのはとても久しぶりで、そこらじゅうにいるセミにおびえつつも夏を楽しめました!
東京、暑かったー!
8月ぎりぎりになってしまいましたが、今月のテーマが「改めてエシカルファッション」ということで、今日はわたしの仕事の大半を占める洋服のことについて、
インドの手仕事の中でも刺繍のことについて、書いてみたいと思います。
インドのラクノウ刺繍を知っていますか?
ラクノウ刺繍はチカンカリ刺繍とも呼ばれ、インドのウッタルプラデーシュ州、ラクノウという街で400年以上の歴史を持つ伝統的な手刺繍です。
クロスステッチやバックステッチなど、様々な技法を組み合わせて、繊細かつ立体的に模様を表現していきます。
数年前、そのラクノウにある、刺繍を通じて女性の自立支援をするNGO団体を訪れました。
建物の中は女性ばかりで、明るく、まるで女子高のような雰囲気!
インドの手仕事の現場は暑くても冷房がなかったり、なかなかハードな環境が多い中、こちらは安全で清潔、冷暖房完備の室内で仕事ができ、働く女性たちのことが第一に考えられていました◎
ここで女性たちは給料をもらい、商品を製作しながらラクノウ刺繍の技術を学んでいます。結婚や出産など様々な事情でここを離れたあとも、修得した刺繍の技術を生かして生計をたてることができます。
地域や宗教によっては、まだまだ女性の立場が弱いインド。
「手に職がある」ということは女性の自立の大きな後押しになります。
また、ラクノウの伝統的な刺繍を後世に残すという目的もあるそうです。
わたしがインドでのものづくりにおいて、生産者に対し日頃から何より大切に思っているのは、技術の向上です。
技術があれば、自立ができる。
品質があれば、誰とでも対等に仕事ができる。
そのために、関わりのある工場や工房では話し合い、しつこく粘ったり、結果怒ることもしばしばなのですが、残念ながらその想いの全部は伝わっていなさそうで、陰でドゥルガー(ヒンドゥー教の最恐女神)と呼ばれていたり、、、笑
それでも、みんなでアイディアを出し合って今できることがあるなら絶対やったほうが良い。
その場しのぎの仕事ではなく、生産者と取引先とが長く続く信頼関係を築いていくことが、みんながハッピーになれる鍵だと思うのです◎
長くなってしまいそうなので、このあたりはまたゆっくり別の機会にも書いてみたいと思います!
わたしはラクノウ刺繍はもちろん、カンタ刺繍やカシミール刺繍、インドだけでなくタイやパキスタン、中南米など世界中の刺繍が大好きです!皆さんはどんな刺繍が好きですか?