Little Life Labメンバーにインタビューをしていく「LLL member interview」。
1人目は、1期生の鈴木友都さん。ラボでは「りんりん」と呼ばれています。
サステナブルをコンセプトとして掲げる銀座ロフトで働く傍ら、「ファッション」や「サステナビリティ」、「エシカル」といったテーマに強い関心を寄せ、幅広く活動をしています。


鎌田安里紗(以下、鎌田):今日はよろしくお願いします。まずは、りんりんの仕事について聞きたいのですが、銀座ロフトでの取り組みについて教えてもらえますか。

鈴木友都(以下、鈴木):はい、銀座ロフトは2019年4月末にリニューアルオープンしました。6階まであるフロアの各売り場に、それぞれ「食」「自然」「美」「日本」などのテーマを設定していますが、その根底にあるコンセプトは「サステナビリティ」です。僕は6月から1階の「GO FOR SUSTAINABILITY by BIO HOTEL」の担当になりました。それまでは4階生活雑貨売り場でバスグッズや家事用品を担当していました。

鎌田:BIO HOTELがセレクトしたアイテムが見られるんですよね。

鈴木:そうなんです。“BIO HOTEL“(ビオホテル)は、ヨーロッパを発祥とする、世界で唯一、ゲストの健康とサステナビリティ(持続可能性)に関する厳しい基準を規約にするホテルブランドです。現在、日本にはこの認証を受けたホテルが3つあります。
日本でその認証を行うBIO HOTEL JAPANさんがセレクトした商品を銀座ロフトの1階で見ることができるんです。

鎌田:オススメのアイテムはありますか?

鈴木:土に還るスニーカーや、ナチュラルな石鹸、残布Tシャツなど、幅広いアイテムがあるのですが、どれもデザイン性が高く、見ているだけでも楽しいです。



鎌田:わたしも何度かお邪魔しましたが、オシャレなアイテムがたくさんありました。りんりんはいつからロフトで働き始めたんですか?

鈴木:高校生の頃からロフトが好きでよく通っていて、大学2年生の頃に有楽町店でアルバイトを始め、3年ほど前に銀座店に移店しました。普通に就職活動をするつもりでしたが、銀座ロフトがリニューアルして、サステナブルをコンセプトに掲げることを知り、自分の興味や知識を活かせるんじゃないかと、就職活動をやめて引き続きロフトで働くことにしました。現在は時給制社員という形で週5で勤務しています。

鎌田:高校生からロフトが好きだったってすごいですね!(笑)ロフトがサステナブルを掲げる前から働いていて、中の人やお客さんの変化を感じることはありますか?

鈴木:お客さんの変化でいうと、サステナブルなアイテムを求めてきてくれる方が増えました。ロフトはリニューアル前からサステナブルなライフスタイルを支えるグッズを色々と取り扱っていましたが、今の方がお客さん自身がそれを知っていて、探しに来てくれるような感じです。エコバッグもよく売れるし、サステナブルを掲げる前よりステンレスストローなども売れるようになりました。

鎌田:もっとこうなったらいいな、と思うこともありますか?

鈴木:今は銀座店のみ、小さいポリ袋の使用を廃止し、紙袋でお渡したり、マイバッグをお持ちのお客様にはポイントを付与しているのですが、それが他の店舗にも広がるのが楽しみですね。1点悔しいなと思っているのは、新しくつくった紙袋についてです。

鎌田:というと?

鈴木:ロフトといえば黄色じゃないですか。だけどその新しくつくった紙袋は茶色なんですよ。
日本って「ナチュラル」と「ナチュラルなデザイン」が混同していると思いませんか?ケミカル使ってもナチュラルなデザインにできちゃうし、ビビッドな見た目でもナチュラルな素材で作れる。そこは黄色でナチュラルな素材を探して欲しかったなぁと。FSC認証かミックスにするとか。その方が面白くないですか?

鎌田:たしかにたしかに。

鈴木:僕自身、ビビットな色合いのファッションが好きなこともあって、店舗の上司にも「そういうことに興味あるのに派手だよね」と言われたことがあるんです。サステナブルでビビッドな感じもあっていいじゃん、っていうのはこれからも伝えていきたいですね。

鎌田:たしかに、りんりんといえばビビットなファッションが印象的。初めて会ったのはインドめぐる旅の時でしたが、その時は白髪で、洋服にバティック合わせたりしていてオシャレだなぁと思いました。
※バティック…ろうけつ染めという手法で染められたインドネシアの伝統衣装

鎌田:エシカルファッションブランドも、ハイブランドも、新興ブランドも、古着も、民族衣装も、いろんなものを取り合せて、独自のスタイルでファッションを楽しんでいるなぁと思うのだけど、そもそもファッションに興味を持ったきっかけは?

鈴木:小さい頃の写真を見ると、結構いいもの着せてもらってるな、という印象があるんですよね。だから、両親のファッションへの興味に多少影響されている部分はあると思います。
自覚的にファッションのことを意識するようになったのは中学生のころ。仲の良かった友達がお年玉を貯めて、かっこいい服を買っていて、それについて話を聞かせてもらうようになって、興味を持ちました。
そこからどんどん興味が高まっていって、高校生くらいからコレクションもチェックするようになったかな。

鎌田:エシカルファッションに興味を持ったきっかけは?

鈴木:ファッション系の大学じゃなくて、文系の大学だったから、ファッションについては常に自分でいろいろ調べながら過ごしていました。
その中で、サフィア・ミニーさんの『NAKED FASHION』を読んで、自分の大好きなファッションに、こんな側面があったんだと驚きました。

鎌田:こんな側面というと、労働環境のことや、自然環境への影響などですか?

鈴木:そうですね。服を作る人が搾取されるというのはすごく衝撃的でした。
親戚がバリに住んでいることもあって、昔から家族旅行でいわゆる発展途上国に行くことも多かったから、自分の現地の友達とかの環境がこうであるかもしれないと思うと、自分が着て楽しむだけじゃダメだなって
ファッション好きとしてそこにコミットしていかないといけないんじゃないかな、と。

鎌田:それは何年前くらい?

鈴木:3年前くらいです。卒論のテーマを探しているタイミングでした。
もともと文具も好きでロフトで働き始めたから、それを軸に書こうと思ってたけど、この出来事をきっかけに、ファッションをテーマにすることにしました。

鎌田:服を着るときのルールは何かあるんですか?

鈴木:基本的には天候。暑さ・寒さだけじゃなく、晴れか雨か曇りか、とか。
冬なら、コーデュロイとかアクリルなどのウールではないニットとか、雨の日は使わないので、天候を見て、それに合わせて素材を選んで決めていく感じです。

鎌田:今日のファッションのポイントは?

鈴木:今日はファッションのことも取材してくれると聞いてたので、自分のパーソナルカラーである黄色を軸にしました。
トップスは古着のシャツをお直ししたもの。デニムは、お父さんのおさがりを自分で染めなおしました。ベルトは、children of the discordanceのエルメスのスカーフをアップサイクルしたもの。カバンはアポリスのジュートバッグです。


鎌田:children of the discordanceって前着てたかわいいコートと同じブランド?

鈴木:そうです。前いいねって言ってくれたコートは、ヴィンテージのバーバリーのトレンチコートをつぎはぎに組み合わせたもの。このブランドは、感覚的にデザインかっこいいなって調べていたら、フェアトレードに積極的に取り組んでいたり、古着をアップサイクルしたりしていることを知ってもっと好きになりました。バッグのアポリスも、同じ流れ。もともと好きで使ってたらフェアトレードだと後で知りました。

鎌田:普段、服買うときはどこでどうやって選ぶんですか?

鈴木:基本的にはお世話になっている店員さんからのオススメ。いつも服についてたくさん話をしているから、その人からの情報は信頼できるんです。たまにウィンドーを見て、いいなと思って入って買うこともあります。

鎌田:服を買うときの基準って何かありますか?一概にはいえないと思うけど、大事にしていることとか。

鈴木:僕、欲しいもの多いんで、その場では買わないようにしてます。とりあえず1回帰って、生活して行く中で思い出すようだったら、再度買いにいく。

鎌田:そうやって、自分がどのくらい心惹かれているかを確認するのは大事ですよね。今注目してるブランドはありますか?

鈴木:さっき話したchildren of the discordanceと、KUONですかね。
日本の伝統技術をそのまま継承しても、今のモードに合わないものが多いけど、KUONは、今のファッションのスタイルに伝統的な技術や民族衣装を落とし込んでいてかっこいい。ファッションとして成り立っているから、伝統が生きていけてるんだなぁと感じます。

children of the discordanceのコート(写真:鈴木さん提供)



あとは、MUKU。アウトサイダーアーティストよりもアウトサイダーなアート作品に惹かれます。しかも、それを老舗のものづくりブランドと組んで、しっかりいいもの作ってるのがかっこいいですね。


MUKUの傘(写真:鈴木さん提供)



あとあと、PHIPPSも。デザイナーがサステナビリティに関心が高いんです。
アイテムは、天然素材がメイン。ハイブランドにいたデザイナーがつくっているということもあってテーラリングだったりディテールだったりがしっかりしています。あとなんか、いい意味でダサいから自分に合うんですよね。


PHIPPSのベスト(写真:鈴木さん提供)



鎌田:おおお、いっぱいありがとうございます。りんりんってよく民族衣装や工芸の話をしてくれるけど、それはどういう興味なんですか?

鈴木:いろんな年代のファッションが好きなんです。ファッション文化を掘り下げていくと、その年代ごとの技法にも出会うことになる。それを知ることが楽しいし、いいものは残って欲しいと思う。今っぽいものの中に伝統的な技術を見つけると「ここにこれ入れるの!」って気持ちが上がります。あと、幼い頃からバティックに触れていたのもルーツかも。

鎌田:それはすごくわかります。これからやりたいことは何かありますか?

鈴木:めんどくさがりだからそんなに活発にはやりたくないけど(笑)、ファッションについての発信はしていきたいです。ファッションはきらびやかでイケてるだけじゃなく、エシカルでサステナブルであってほしい。まだまだ、打ち出してる理念が素敵でも、やってる現実が違ったりしてるから。
昨年の10月、ユニクロのインドネシアの契約工場で働いていた人たちが急に契約を切られたことをきっかけに、ユニクロ銀座店や本社前でデモをしていました。ぼくは新宿ビックロ前で行われたデモを見に行って、「やっぱりまだつくる側は笑顔になれてないんだな」と実感しました。

なんていうか、自分の好きな「ファッション」という世界に不幸な人がいてほしくないんですよね。本当にシンプルに、三方よしであって欲しい。
だから、もともとエシカル・サステナブルに興味ある人だけじゃなく、本当にファッション好きな人にもっと興味持って欲しいです。

鎌田:本当にそうですね。ファッションに熱を注いでいる人やブランドが、エシカルだったりサステナブルな取り組みを発信する事例も増えているように感じますが、これからますます広がっていって欲しいです。ちなみに今りんりんの情報発信を見ようと思ったら、どこを見ればいいですか?

鈴木:今は、WEARとTwitterとFacebookが発信のメインです。少しずつ、自分のペースでできることを模索していきたいです。

鎌田:これからも楽しみにしています。今日はありがとうございました!



鈴木友都(すずきゆうと)

WEAR:Ringring

Twitter:Ring40910

Facebook:鈴木友都



Photo Daiki Endo

Text Arisa Kamada